All archives    Admin

07月≪ 2008年08月 ≫09月

12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2006'03.01 (Wed)

オバアチャンなのです・・・

そして・・・、ボクはゆっくりと歩を進めている彼女をすぐに発見した。
彼女は会社の最寄り駅とは逆方向の道を歩いていた。





オフィス街を通過し、彼女が向かった先は・・・小さな映画館。
如何わしい場所でなくて本当にホッとしているけれど・・・。

「・・・ミニシアターを観るなんて・・・、意外だね・・・。」

そう、その映画館では有名な作品ではなく極めて小さな作品しか上映されないから。



彼女の行き先を見届けたボクは、踵を返して帰途につこうとしたが・・・久々にスクリーンで映画を観るのも悪くないと思い、館内に入る事にした・・・。










中は疎らだが、数人の観客がいた。
彼女は・・・真ん中のブロックのほぼ中央に座り、買ったばかりと思われるパンフレットを広げていた・・・。



「・・・あっ、ポップコーン買うの忘れちゃった・・・。どうしよ・・・。」
「食べる?」

パンフレットを閉じ、少し慌てた様子を見せた彼女の前にボクは後ろの席からポップコーンを差し出す。
すると彼女は思ったとおり、立ち上がって目を白黒させていた。

「えっ?・・・あっ、課長。何で?・・・どうしてここに・・・。」
「・・・キミが未成年だって事をすっかり忘れててね・・・。
 せめて駅まで送らないとって思ってたんだけど。」
「それで・・・わざわざここまで?スッ、スミマセン!
 ・・・でも、レイトショーを観に行くなんて言い辛くて・・・。」
「まぁね。・・・だけどミニシアターが好きなんて、変わってるね?」
「あっ・・・、CGとか駆使している映画も好きなんですけど、
 ミニシアターは何て言うか・・・、携わっている人の気持ちが
 流れ込んでくるんです。・・・心で観る映画という気が・・・私はして・・・。」
「へぇ・・・。」

ボクは彼女の話を聞きながら椅子に座った。

「あの・・・、その席で大丈夫ですか?私、邪魔だと・・・。」

そう言いながら彼女は右へ一つ席をずらす。

「別に気を遣わなくてもいいのに・・・。
 ・・・でも今日は、キミの言う視点から映画を観てみようかな・・・。」
「はい、是非!」

振り返った彼女が笑顔で頷くと、上映のベルが鳴り響いた。
ボクと彼女は話をやめ、顔を正面に向けた・・・。





映画の内容は・・・、有り触れた日常生活を描いたもの。

舞台は高校の天文部、下級生の少女が上級生の少年に恋をする話・・・。

途中、勢いあまって告白するも玉砕した少女、でもめげずにアタックし続けてラストは二人で天体観測をし、そこで両想いになるという・・・少女マンガみたいな展開だった。





・・・こんな話の流れは現実的に有り得ない・・・と思いながらも、ボクは無数に広がる星に圧倒されていた。
夜空を見上げるなんて、滅多になかったから・・・。










「良かったですね〜、最後・・・。」
「・・・ロマンティストだね、キミは・・・。」

映画館から駅までの道を、ボクらは並んで歩きながら話していた。
話題は勿論、先程の映画・・・。



「私も・・・、数ヶ月前までは高校生でしたから・・・。
 ・・・それじゃ課長、今日はありがとうございました。」

駅に着くと、彼女は一人で帰ろうとしたのでボクは時計を見ながら言う。

「遅くなったから・・・、送るよ。」
「でも・・・。」
「週末のこの時間、酔っ払いが多いから・・・。
 絡まれても一人で対処できる自信があるなら・・・いいけど・・・。」
「あ・・・。」

思い当たるふしでもあったのだろうか・・・、彼女はしばらく困惑していたがボクの申し出を素直に受け入れた・・・。










電車の中はボクの予想通り、出来上がった人間がかなり乗車していた。
ボク達は座らず、それらを避けた場所に立っていた・・・。



「ごめん、座れるところなくて・・・。」
「いえ、いいんです。・・・実は以前、座ってたら絡まれかけて・・・。
 夏穂に言ったらもの凄く怒られました。
 すぐ逃げられるように出入り付近に立ってなさいって・・・。」
「確かに大堂寺さんは・・・隙だらけみたいだからね・・・。」
「そっ、そんな事・・・きゃっ!」



カーブの所為で車内が揺れ、何も掴んでなかった彼女はこちらに倒れこんできた。
それを咄嗟に胸で受け止め支えたけど・・・腰に腕を回した瞬間、ボクは変な気持ちに襲われた・・・。

サラサラとして癖がなく、雰囲気に合う香りを放つ長い髪・・・。

今にも折れてしまうんじゃないかと思うほどの細い腰・・・。

まじまじと見て、全てのパーツがボクより小さい・・・彼女・・・。

ボクはこの時になって初めて、目の前にいる仕事のパートナーが『女の子』なのだと意識した・・・。



「あの・・・課長・・・。」
「・・・えっ?あっ、ごめん・・・。」

ボクは何か言いにくそうな彼女の声にハッとなり、慌てて手を離した。



それからボクらは彼女が降りる駅まで終始無言のままだった・・・。










駅のホームに降り、そこでお辞儀をした彼女だったけど家まで徒歩十分と聞いてボクは最後まで送る事にした。



「・・・本当にいいんですか?送って頂いて・・・。」
「タクシー利用するの、勿体無いからね・・・。」

普通の問答をしながら、再び歩き始めたボク達。
けれど気付けば話は尽き、言葉少なになっていた・・・。

何気なく空を見上げると、広がっていたのは人工の星・・・イルミネーション。
街灯代わりに色とりどり飾られて華やかだったけど、やはり映画で見た本物の星には敵わない。

当たり前か・・・と思いながら視線を前方へと移す。
すると彼女はだいぶ前まで進んでこちらを振り返っていた。
ボクは少し走って彼女に追いつく。

「ごめん、待たせて・・・。」
「いいえ・・・。私の家、もうそこなのでここまでで・・・。あっ!」

彼女はそう説明しながらも、ボクの背後にある『何か』を見て急に感嘆の声を上げる・・・。

「わぁ〜、今夜の月は綺麗ですね〜。」

彼女の視線の先を辿ると、上空には孤独に淡く光る月があった・・・。



・・・何だか、さっきの映画のラストシーンを彷彿とさせる・・・。

二人だけの天体観測中、下級生の少女が同じ台詞を言いながら月を眺めていて・・・、上級生の少年はその少女の横顔に見惚れ、月に夢中になってる悔しさから少女にキスをして二人のストーリーがここから始まる・・・そんな終わり方だった・・・。



彼女も今、スクリーンの少女と同じ表情をしている。
満月に宿る魔力に魅入られているかのように・・・。

だけどこんな風に慈愛に満ちた顔は・・・初めて見た気がする。

ボクが知ってるのは仕事の凛々しい顔と、友人といる無邪気な顔。
それに社内で挨拶をする時の笑顔と・・・一度だけ見た涙・・・。

それ以外、彼女がどんな表情をしているのかボクは知らない。

だって彼女はボクの前ではいつも緊張しているから・・・。
そうさせているのはボクなんだって分かってはいるけれど・・・。



ボクは開いていた二人の距離を縮めると、彼女の視界を遮り・・・柔らかく微笑む彼女にそっと口付けた。



それは・・・長いようで短い・・・刹那・・・。



「おやすみ。」

夢のようなキスの後ボクはそう告げ、呆然とする彼女を残してその場を足早に去った・・・。










帰り道、電車に揺られながらボクは一人悶々と悩んだ。
どうして彼女にキスしてしまったのだろうかと・・・。

映画と同じ台詞を彼女が口にしたから?
それとも少年のように月ではなくボクを見て欲しかったから・・・?

後者の答えに苦笑しながら頭を振った。
そして指先で唇を確かめるようになぞると・・・先程の感触がリアルに蘇ってきて体温が上昇していくのが自分でもよく分かった・・・。



窓の外に目をやりながら、ボクはぼんやりと考える。

この気持ちが何なのか・・・。

そして次に会った時、ボクは真っ直ぐ彼女を見る事ができるのだろうかと・・・。











 ・・・足掛け約10ヶ月・・・、ようやく『課長ロキまゆ』完結致しました〜♪でも、読みづらいですよね〜?分かりづらいですよね〜?という事で今月末にページを作りまして最初から最後まで繋がったお話をお届けしたいなと思ってますので・・・その時にまた読んで下さると非常に嬉しいですv・・・恐らく加筆修正とかはあると思いますけど・・・。ああっ、力不足!
 今回の話もある意味山場だったのか、三日かかってしまいました・・・。『好きだから・・・』ではなく『何となく』チュ〜させたかったので、ああでもない〜こうでもない〜と加減乗除の繰り返しでしたけど・・・、大丈夫・・・かな?繋げてみないと分からないので・・・。もしも「あれっ?」っていう点があるようでしたらお知らせ下さいませ。
 では、本当に本当に・・・最後まで書きたいように書かせて下さった皆々様、有り難うございましたv・・・皆様の感想がなければここまで・・・こなかったですよ、本当に。この作品は幸せもの・・・と心底思う私です。

 ・・・課長さんも終了しましたね〜。次は何を書こうかな?・・・ブログでのぷちよみはしばらくお休みして、更新頑張りたいですね〜。何か、原作の補完的な話が書いてみたくて・・・ハッ、その前にホワイトデーだわ!そしてTopも変えないとだわ!それは今週末に・・・やるぞ〜・・・。

 筋力・・・特に背筋を鍛えたい今日この頃・・・。またもや腰を痛めて立ったり座ったりがつらいです。運動もやらないととは思ってるんですけど・・・。で、やってみたいのが何故だか乗馬(笑)。だけど背筋がピンとなっていいらしいので・・・乗りたい。でも・・・、馬にバカにされそうだな・・・。>>
22:35  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'02.26 (Sun)

平謝りです・・・

・・・そして私達は、誰も来ないのを理由にずっと抱き合っていた。
話さなきゃいけない事とかある筈なのに、ただ恋しくて・・・互いに温もりを求め合って・・・。



「・・・まゆらは・・・。」

だけど長い沈黙の後、ロキくんは話の口火を切った。

「まゆらはどうして、ボクに言ってくれなかったの?
 ・・・ボクの異動を知ってたんだって事を・・・。」
「だって・・・、ロキくんが話してくれるまで
 待っていようって思ったから・・・。・・・それよりもロキくんこそ、
 ・・・どうして異動の話を最初に女神様にしたの?」
「ボクが・・・女神様に・・・?う〜ん・・・。
 まゆら、女神様が何課の人間かちゃんと分かってる?」
「えっ?何課って・・・、あっ!彼女は人事課の・・・。」
「そういう事。・・・だからキミより早く、ボクの異動を知っていても
 ちっともおかしくなんかないって・・・理解してくれた?」
「・・・ゴメンなさい・・・。」

私は自分の早とちりと勝手な思い込みにシュンとなった。
ロキくんはそんな様子が暗がりの中でも分かるのか、クスクスと笑う。

・・・けれどそれは、ほんの一瞬・・・。

「・・・いや、悪いのは全面的にボクだから・・・。
 ボクがきちんと話していればこんな風に遠回りする事なかったんだ。
 だから・・・、仲直りしてくれる?まゆら。」
「・・・ロキくん・・・。」

雪解けのように二人の間にあった誤解が消えてなくなった今、耳元で囁かれたロキくんの言葉に迷いはなかった・・・。










人の気配を確認しながら、私達はエレベーターホールの前まで来た。
・・・何だかまるで、映画に出てくる探偵かスパイにでもなったみたい・・・。

だけど・・・。

「・・・いいの?ロキくん。今日はロキくんの送別会なのに・・・。」
「大丈夫、後の事は全部光ちゃんに任せてあるし・・・。」
「でも・・・、・・・って・・・ロキくん。何でエレベーターのボタン・・・。」

私はロキくんが押したボタンを見て驚いた。
だって点灯していたのは下ではなく、上だったから・・・。

彼は私を見ながらフッと微笑む。

「・・・何で送別会がホテルになったと思う?
 本当は近くのレストランで開かれる筈だったのに・・・。」
「えっ?・・・まさか、ロキくん!今日は最初から・・・。」
「そう。・・・例えまゆらが会場にいたままだったとしても、
 掻っ攫ってこうするつもりだった・・・。」



・・・ポーン

エレベーターが開き、ロキくんは私の手を引いて中に乗り込むと最上階のボタンを押して素早く扉を閉めた。
そして二人きりの密室空間には、あっという間にキスの嵐が訪れた・・・。

「ふっ・・・むっ!・・・あンッ、・・・んっ。」

合わせたと思ったら舌で器用に唇を割られて・・・、歯をなぞられてその奥の舌を絡め取られて・・・。
久しぶりに交わしたロキくんとの熱いキスに、頭がボーっとしてしまう。

だけど彼の指先が私の太腿に触れた時はさすがにビクッとなり、慌てた。
でもタイミングよく、エレベーターが最上階で止まる・・・。



・・・ポーン



ロキくんは残念そうな顔をしながら唇を離し、二人を繋いでいた糸を舐めた。
そして乗った時と同様、私の手を引いてエレベーターを降りる。

すると目の前には、いかにも高級感漂う立派な扉があった。

「・・・ロキくん、ここってスイートルーム?」
「そう、たまにはいいでしょ?・・・それにこれからちょっと
 遠距離恋愛になるから、悲しませちゃうまゆらの為に・・・。」
「そんな・・・。・・・こんな事に無駄なお金を使っちゃダメだよ・・・。」
「だからたまにはって言ったじゃない。・・・それより、早く入ろう?
 まゆらを寂しがらせた分の埋め合わせをしたいし・・・もう待てない・・・。」

ロキくんは私の耳朶をカプッと軽く噛みながら、カードキーで扉を開けた・・・。





ロキくんの第一印象は、私の事など気にも留めずただ仕事だけをさせる機械のような人で、絶対に上下関係も上手くいかないって思ってた。



でも仕事で大きなミスをした時には励ましてくれて、私も彼の有能なパートナーになりたいって本気で考えた・・・。



・・・だけど仕事を一緒にするうちに、一人の男性として彼に心惹かれて・・・。



悲しい事、苦しい事・・・、負の感情に振り回されてたくさん泣いたりしたけれど今はもう・・・大丈夫。



愛し愛される気持ちに満たされているから・・・。



私を生涯のパートナーにと選んでくれた・・・ロキくんが傍にいるから・・・。










 という事で・・・、本日まゆらさん視点最終回でございます〜(ドンドンパフパフ〜)!
 もう最後、本気でどう纏めようとか思ってまして・・・。何せ書き始めがこの前の部分からでしたからね〜・・・。だけど途中まで打ってた時、「・・・これはやばかろう・・・」というのもあったのでね・・・焦りました!・・・それにしても、LOVEモード中の課長さんは私を捻じ伏せてしまうほど強いお方です・・・。
 では後一回、課長さん視点をお付き合い下さいませ〜。

 本日は、もう待たせすぎて呆れられているだろうと思いつつもキリ番作品をUPさせて頂きました。う〜、本当にお詫びの言葉しか思い浮かびません。そしてまだまだキリ番は溜まっているので・・・頑張って次、書かせて頂きたいと思います・・・。

 ・・・気付けば二月ももうおしまい。ホワイトデー云々と言っていたのに・・・大丈夫なのかちょっと不安になってきた私でございました・・・。>
22:21  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'02.25 (Sat)

やっぱり・・・

朝礼終了後、ボクはすぐにまゆらを問い質そうとした。
けれど光ちゃんとヴェルダンディー部長に捉まり、その間彼女は一課の手伝いで外回りへと行ってしまい確認する事ができなかった。





昼休み、各部署へ挨拶回りをしながらボクはここ数週間のまゆらの様子を振り返った・・・。



『お願い・・・、今日は一緒にいてロキくん・・・。』



・・・そういえばあの時、か細い腕と声が震えていなかっただろうか・・・?



『・・・そんなに私、信用できませんか・・・?』



・・・あの言葉には、異動の事を話そうとしないボクを非難する意味も込められていたんじゃないだろうか・・・?



『・・・私、あの日は一人でいたくなかった!
 だから・・・別にロキくんじゃなくても・・・、誰でも良かったんです!』



・・・誰でもよかったというのは嘘で本当は・・・、ボクを求めていたんだよね・・・?



すぐに分かる事ばかりだったのに・・・、ボクはまゆらからのサインに気付けずにいた。
ボクも涙を見たくないという想いで、必死になって隠していたから・・・。



でも・・・、まゆらはどこでボクの異動を・・・?





そう考えていると廊下の突き当たり・・・、階段の踊り場の方から言い争う声が聞こえてきた。

『・・・変な言いがかりは止して頂戴!
 第一、清掃員が騒いだところで・・・誰が信じるかしら?』
『言いがかりなんかじゃないさ!ボクは昨日、確かに見たんだ!
 ・・・社内で密かに出回っているまゆらちゃんの写真を
 ビリビリに破って燃やしてるのを・・・!』
『もしそれが本当だとしても・・・、人的被害はないじゃない!
 ・・・悪いけど、くだらない話に付き合ってる暇はないの・・・。』

コツコツコツ・・・

「あっ、あら、ロキじゃないの〜。どうしたの?こんなところで・・・。」

踊り場からこちらへやって来たのは人事課のフレイヤ様と、悪鬼のような形相をした清掃員・・・確かフレイがヘムと呼んでいた子供・・・。

「・・・そういえば、もう解禁になったのよね?
 辞令が出た時から言いたくてウズウズしてたんだけど・・・、
 本社に栄転おめでとう、ロキv本当に嬉しいわ、私。」
「・・・フレイヤ様、ボクの異動の話を誰かにしませんでしたか?」

ボクは彼女からの祝いの言葉を返す事なくそう尋ねた。
彼女が歩くスピーカーだというのを思い出したから・・・。

「もう名前で呼んでって言ってるのに・・・。・・・えっと、この話は確か・・・。」
「ボクが聞いたよ。誰もいない場所で一人大声で怒鳴・・・むがっ!」
「・・・ロキがいなくなるなんて寂しいわって泣いていたのを
 見られちゃって・・・。でも他には話してないわ、口止めされてたもの。」

彼女は清掃員の口を押さえながら、笑顔で答えた。
ボクの視線が彼へと移る。

「・・・じゃ、キミは誰かに話さなかった?例えば・・・大堂寺さんに・・・。」
「ぷはっ!・・・ああ、話したよ。
 毎週一回まゆらちゃんとは昼食を一緒に摂ってるし、
 お前がいなくなったらまゆらちゃんの仕事の負担が増えるからな・・・。」
「・・・なるほど・・・。」

彼女の手から逃れた清掃員は、ボクを敵視しながら話した。



それにしても・・・、こんな経路でボクの異動がまゆらに伝わってたなんてね・・・。



「そうだ!ロキ、今日は夕食を一緒にどう?お祝いをしましょうよ・・・。」
「・・・それよりもボクのお願いを聞いてくれませんか?」

いつもと同じように誘ってくる彼女に対し、ボクは違う言を口にした。
それが余程嬉しかったのだろう・・・、彼女の表情がパッと輝き出す。

「そんなの初めてね・・・。何?私にできる事なら何でも言って?」
「・・・今後、大堂寺さんに・・・まゆらに
 干渉しないで頂けると助かるんですけど・・・。」
「・・・えっ?ロキ、今あなた・・・。」
「たくさん傷がつこうが、一生消えない痕が残ろうが
 彼女を愛しているから構わないんですけど・・・。
 ・・・ボクはキミを生涯許さないと思うよ?・・・フレイヤ・・・。」
「・・・ロキ・・・!」

最初は今までにないボクの空気に怯え、でもしばらくすると彼女は唇を噛んで怒りを露わにした。

「こっ、公表するわよ?・・・そうよ、社内恋愛はお互いに
 悪影響でしかないわ。あの子だってここにはいられなくなるし、
 下手したら栄転の決まったあなただって・・・。」
「それで脅しているつもりかい?言っておくけどそうなったら
 彼女と一緒に辞める覚悟はいつでもできてるよ・・・。」

ボクが不敵の笑みを浮かべながらそう言い捨てると、彼女は何も言い返さなかった。
それに乗じて、ボクはもう一度彼女の名を呼ぶ事で念を押す。

「フレイヤ、キミの願いを叶えたんだからボクの願いも聞いてもらうよ?」

彼女はキッとボクを睨みつけるだけだった。
それを承諾と取ったボクは、隣で事の成り行きを見ていた清掃員に聞く。

「・・・分かってるとは思うけど・・・。」
「誰が言うか!・・・まゆらちゃんが困ると分かっている事を・・・。」
「悪いね・・・。」

いろんな意味で彼に告げると、ボクは二人を残してその場を離れた・・・。





本当にバカだよね・・・、ボク達は・・・。

想いは同じなのに、相手の反応が怖くて避けてばかりいた。
結果、互いを傷つけ傷つけられ・・・行き違って・・・。



だけど・・・、まゆら。
ボクはキミを諦めたくない、手離す気なんて更々ないんだ。

だって懸命に仕事に集中しようとしても、気付けばキミをずっと目で追っていたんだから・・・。





まゆらへの想いを再確認したボクは、午後の始業時刻が迫っているにも拘らず近くのジュエリーショップへ駆け込んだ・・・。











 この作品で一番頭を悩ませた部分です・・・。女神様と清掃員、単品にしようかセットにしようか・・・まずその時点でかなり悩みました・・・。
 だけど・・・、ようやくおバカな課長さんがまゆらさんの事に気付いて・・・本当に良かったですよ〜(涙)。・・・イジメ問題も一気に片付けましたしね。スゴイ、こんな風になるなんて思ってもなかったですよ・・・。うん、女神様の名前を呼ばせるつもりなんて予定外の事です。・・・きっと凄みのある声で呼んだんでしょうね・・・。それからヘムも今回は大人しく・・・。まぁお局様に物申す〜という点が一緒だった所為だとは思うんですけど。・・・それにしても、最後はスゴイ展開。本当、自分の意志で課長さんは動いております・・・(汗)。

 今日は「マ王」が最終回で・・・。やはし最後の最後までヤツがキーマンだったな〜と思いながら観ました。○○を倒したし、もう本当に終わりだとは思うんですけど・・・原作の続きはいつになったら出るのでしょう・・・?
 そうそう、4月からは「彩雲国物語」なんですよね?・・・アニメ化になるなんて知らずに読み始めたんですけど・・・お も ろ い !こういう話は好きですvまだ一巻しか読んでなくて多くは語れないですけど、早く最新刊まで読んでどっぷりと嵌りたいです〜v
22:18  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'02.24 (Fri)

薔薇様・・・

ただの部下に戻る・・・そう決めて出社したけれど、課長の顔を見る事はできなかった。

いつもなら例え仕事でも、課長と接する事ができれば嬉しかったのに・・・。
今は・・・、視線を合わせるのも怖い・・・。

必要な書類を提出する事さえ・・・。





「・・・これでいいよ、後は部長のサインをもらえばいいから・・・。」
「はい・・・。」



私は課長から書類を受け取ると踵を返し、入口へと歩を進める。
でも何となく彼の声音が気になって・・・、ゆっくりと振り返った。

・・・あまり表情を出さない彼だけど、今日は眉間に皺を寄せている。

(頭でも痛いのかな・・・?)

一瞬そんな事が脳裏に浮かんだけど、すぐに頭を振った。
だって私はもう、彼の恋人じゃないんだから・・・。



私は目の前の取っ手を掴むと、今度こそ扉を開けた・・・。










ヴェルダンディー部長に書類を提出し、少々雑談をしていたら思っていた以上に時間が過ぎてしまっていた。
まだ仕事が残っている私は慌てて営業二課へと向かう。



「・・・よかった〜、途中までやっておいて。これなら定時で・・・。」
「おい、お前が大堂寺・・・繭良か?」

私が腕時計を見ながら歩いていると、正面に木刀を持った男の人が立っていた。
反射的に私は答える。

「そっ、そうですけど・・・あなたは?」
「オレか?へへっ、オレはこの会社のお荷物ってんで有名な鳴神だ。」
「・・・鳴神・・・?・・・ああっ!ロキ課長が最初に組んで仕事をした人・・・。」

聞き覚えのある名前に私は大声を上げた。



同期入社で仕事も一緒だったと課長から聞いている。
でも不動産詐欺に遭って、高額なバイトとかけもちしながら働いていたからほとんどの仕事を押し付けられたって・・・。



「何だ、オレの事知ってるのか。・・・だったら早いや。
 ・・・ロキの事で話があんだけどよ・・・。」
「・・・・・・・・・・。」

ニカッとした笑みから真面目な顔付きへと変えた彼に、話の内容を察した私はコクンと頷いた。










私達はゆっくりと歩きながら小声で話し始める。

「それであの・・・お話っていうのは・・・?えっと・・・、鳴神さん・・・。」
「むずがゆくなるから『くん』付けでいいぜ?
 ロキもそう呼んでるし・・・。でもアイツの場合、名前まで変え・・・。」
「スミマセン・・・、仕事が残ってますので手短に・・・。」

私は課長の名前を聞きたくなくて、わざと鳴神くんの言葉を遮った。
すると・・・、

「大堂寺、昨日ロキと何かあったのか?」

と、鳴神くんは前置きもなくいきなり本題に入った。
私はビクンッと震え、心の中で動揺しながらも笑顔で否定する。

「いっ、いいえ・・・。・・・でも、どうしてそんな事を私に・・・?」
「・・・オレはあまり回りくどい言い方できねぇから言うけどよぉ・・・。
 ロキのヤツ、昨日ヤケ酒したんだ。」
「えっ?・・・課長が・・・?」
「ああ・・・、久々に会ったと思ったら青い顔しながらふらついててよ。
 オレは帰れっつったんだけど、逆に飲みに付き合えって言われてな・・・。」



課長が・・・、ヤケ酒・・・?
ほろ酔いが丁度いいんだって言ってたのに・・・まさか、・・・私の所為・・・?



気付けば私の足はピタッと止まっていた。
数歩先を歩いていた鳴神くんも止まり、私の方を見る。

「でよ?初っ端から強い酒で飛ばして・・・二杯飲んで潰れたんだよ、アイツ。
 でもその後がな・・・連れ帰んのに一苦労だったぜ・・・。
 店のメガネにタクシー呼んでもらって、乗せるのにオレがおぶって・・・
 けどよぉアイツ、オレの背中で暴れたんだぜ?ヒデェだろ?
 だから起きててわざとやってんじゃねぇかと思って殴ろうと
 したんだけどよ・・・、その時に小さく『まゆら』って言ってたんだ・・・。」
「えっ?」
「・・・最初は何言ってんのか分かんなかったけどよ、その言葉しか
 知らねぇみたいに何度も言うんだよ、『まゆら』って・・・。
 ・・・いくらゴミみたいな存在のオレでもその名前は知ってたからな・・・。
 だから、ロキと何かあったんじゃねぇかと思ってこうしてお前に・・・。」
「そん・・・な、・・・ロキく・・・。」



何度も『まゆら』と呼ぶロキくんを想像して・・・、私は初めて気が付いた。
自分がどれほど彼に大切にされていたのか・・・。

だって・・・、ロキくんが何も話してくれないのは私が泣くんじゃないかと懸念したからじゃないかって思ったから。

・・・もしも逆の立場だったら、やっぱり私もギリギリまで言わないって思ったから・・・。



鳴神くんは辺りをキョロキョロしてから言う。

「・・・あんなロキは初めてだったな・・・。人にも仕事にも厳しいロキが
 お前の名前呼ぶ時だけ、聞いた事ねぇ鳥肌立つような声出してよぉ・・・。
 ・・・いい意味で変わったと思うぜ?だからケンカなら早く仲直り・・・。」
「いえ、そんなケンカとかじゃなくて・・・その・・・。」

言葉が見つからなくて・・・、私は自然と俯いていった。



でもこれ以上心の奥に閉じ込めておくのは苦しくて・・・、それに鳴神くんを納得させる理由なんて他に思い浮かばない・・・。



「・・・鳴神くんは知ってる?ロキ・・・課長が本社に栄転するって・・・。」

私は周囲を確認すると、しまい込んでいた事実を鳴神くんに告げた。
その言葉に彼は目を見開く。

「大堂寺、お前それ・・・!」
「そう・・・、話したんだね?鳴神くんには・・・。でも、私には何一つ
 話してくれない・・・ううん、話せないでいるの。だから思い悩ませる
 くらいなら、自然消滅した方が彼の為になるんじゃないかと思って・・・。」
「消滅って・・・本当にお前、それでいいのか?
 ・・・ちゃんとロキと話し合った方がいいんじゃねぇのか?」

心配してくれる鳴神くんに悪いと思いながらも私は首を横に振った。



けれど、秘めていた事実と同時に込み上げていた感情は抑えきれず・・・一気に爆発した・・・。










 ・・・本日はくだ巻いた課長さんの翌日〜の話をお届けしました・・・が、繋がっているか微妙です。
 今回はロキまゆに欠かせない(?)ナルがまゆらさんに会いました。今まで誰にも相談できずに一人苦しんでいたまゆらさん。吐き出させるべきか悩んだ末、吐き出させました・・・。本当にもう、悲しい想いをさせてゴメンです・・・。そしてまゆらさん視点はあと一回!・・・ではでは。

 もう本当、この方がいらっしゃらなかったらお仕事終わりませんでした・・・。私の先生・・・本当、「御姉様〜v」って思いましたもん!
 あとは掃除だけってなった時に、サッと来てくれましたからね・・・。そして指揮能力の無い私に代わってあれこれと他の皆さんを動かしておりました。・・・もうエクセレント!です。心の奥底でずっとお慕いしていようと思います・・・。

 今日は仕事帰り、化粧品を買いに行きました。・・・で、春の新作が出ていましてわざとジ〜ッとしてましたら店員さんに声をかけて頂け、お化粧をしてもらいましたv・・・後は雨の中、帰るだけだったんですけど・・・。
 普段早起きが苦手で、しっかりメークなんてしない私ですけどやってもらうと・・・魔法にでもかかったかのようにいいなぁ〜って思ったりします。でもアイメークは本当に泣きそうで・・・(涙)。一重は一重でも奥一重という最低最悪の目なので、自分、嫌いです・・・。だけど今日メークしてくれた方は、慣れていないながらもいろいろと考えて下さって、キッチリ、丁寧に教えて下さいました。・・・今までやって下さった方はマニュアル通りって感じだったんですけど、この方は人間味のある方で・・・。最後の最後までお互いに「有り難うございました」と言ってました(笑)。何か初めてです、メークをきちっとやってみようって思ったの!がっ、頑張るわ〜!>
22:15  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'02.22 (Wed)

素敵な出来事・・・

「んな事言われてもよ・・・。探しに行く時間はあまりねえし、
 社会人二年目のヤツにはどこの不動産屋も厳しくてよ・・・。」
「そっか。・・・ヤミノくん、同じの。」

ボクがグラスを上げてそう頼むと、ヤミノくんは不安そうな顔をした。

「続けて飲むのはお止めになった方が・・・。烏龍茶になさったら・・・。」
「心配しなくても大丈夫だよ、ヤミノくん。
 自分の事は自分が一番分かってるんだからさ・・・。」
「・・・・・・・・・・。」

ヤミノくんは迷いながらも、先程と同じウォッカを出してくれた。
・・・ボクの体を気遣ったのか、量をいくらか減らして・・・。

「・・・にしても・・・、本社に栄転か。スゲェな、ロキ。」
「半分以上はキミのおかげだと思ってるけどね・・・。もしナルカミくんが
 普通に仕事してたら、今のポストもなかったわけだし・・・。」
「そうか?・・・でもよぉ・・・いいのか?
 こんな大事な話、オレなんかに話しちまって・・・。社内で知ってるのも
 ごく一部なんだろ?・・・営業二課の連中にも話してねぇのか?」
「・・・うん・・・。」

ボクは話しながらグラスを空にすると、一人の人物を思い浮かべた・・・。





『酷いよ、ロキくん!会社ではイヤって言ったのに・・・こんな・・・。』



初めてボクを拒絶し、泣き出しそうな声でそう告げたまゆら。

それはボクが思っていた以上のショックで・・・、それ以降の仕事は散々だった・・・。

ヴェルダンディー部長の激怒も馬耳東風、誰の言葉も耳に入らない状態。

・・・きっとふらつくボクをナルカミくんが発見してくれていなかったら、間違いなくボクは何処かで倒れていただろう・・・。





「・・・だよな?ホント・・・っておい、ロキ!酔ってるのか?」
「ひょってはんか・・・、はいひょーぶたよ・・・。」





そう・・・、ボクは酔ってなんかいない。

酔うならお酒じゃなく、・・・まゆらにだ。

まゆらにならどっぷりと浸かって抜け出せなくなっても構わない、そう思ってたのに・・・。



『・・・私、あの日は一人でいたくなかった!
 だから・・・別にロキくんじゃなくても・・・、誰でも良かったんです!』




誰でも良かった・・・なんてキミは本当に酷い事言うね?まゆら。

ボクはただ、キミがボクの異動話を聞いて悲しむ姿を見たくなかっただけなのに・・・。

こんなにのめり込んで溺れてしまうほど、キミを愛している・・・の・・・に・・・。










 くだを巻く課長さん〜をお届けしました。・・・課長さん視点なのでね、どんな風に酔ってるのか分かりませんけど・・・。
 ・・・にしても勝手なヤツだ。まゆらさんが何で泣いているのか考えもせず。酷いのはお前だ!と書きながら突っ込んだのはこの私・・・。では、次回もお楽しみに〜。

 今日は朝早く、友人から素敵メールが届きました。『お誕生日おめでとう(>_<)』・・・お分かりでしょうか?そう、彼女は見事に間違えたのです、しかも20日も!だけど不思議と腹立たず・・・、逆にこっちがどうしよう!と慌てました。事実を伝えるべきなのかと・・・(笑)。それっくらい私の中ではほんわかした存在です。本当、今日が誕生日でもいいかな〜?とか思ったくらいだし(爆)。・・・今日からがまぁ、新品の私という事で・・・。
22:12  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'02.20 (Mon)

らしく行こう・・・

でも・・・、その間一人でいろいろな事を考えてた。

話を聞いて、泣かないで素直に「おめでとう」って言えるかな・・・とか、これからは遠距離恋愛になるのかな・・・とか。

・・・別れる可能性もあるからその覚悟もしなくちゃとか・・・。










「まゆら、今日合コンあるんだけど行かない?」

金曜の昼休み、夏穂は毎週恒例となった話題を振ってきた。

「・・・ゴメン、夏穂。私そういうのは・・・。」
「ダメ?・・・そりゃ、まゆらが苦手だっていうのは知ってるけど、
 毎週のように拝み倒される私の身にもなってよ・・・。
 ・・・本当にしつこく『つれてきて』って言われて・・・。」

大きく溜息を吐きながら私を睨んでくる夏穂。
私はもう一度『ゴメンね』と言いながら、心の中で深く謝っていた。



だって、いくら親友でもこれだけは言えないから。
課長と・・・、ロキくんと恋愛をしてるんだって事は・・・。










午後の仕事もスムーズに進み、時計を見れば終業時刻まであと僅かだった。
そんな間際、私は課長に呼ばれる。

「大堂寺さん、・・・ちょっと・・・。」
「はっ、はい・・・。」



いつも待ち合わせの時間と場所はメールでやり取りしてるのに・・・、もしかして今、異動の話をするのかな・・・?



そんな事を思いながら課長に連れられてやってきたのは今の時間帯、人の行き来が少ない給湯室。

「あっ、あの・・・、課・・・。」
「ごめん、こんな風に呼び立てたりして・・・。
 時間がないから単刀直入に言うけど・・・、今日はダメになったから・・・。」
「・・・えっ?」

どう切り出されるんだろうってビクビクしてたのに・・・、課長の言葉は私の予想を大きく裏切った。

だけど・・・、ダメって・・・。

「・・・もしかして残業ですか?だったら私も・・・。」
「いや、・・・ヴェルダンディー部長に急遽接待の仕事を頼まれたんだ。」

『接待』という言葉でピンときた私。
きっとお世話になった方か、これから仕事仲間になる方と・・・なんだよね。

それはとても大切な事だって分かってる、でも・・・。

「・・・じゃ、それが終わってからでも・・・。私、映画館で・・・。」
「多分二日酔いになって、
 明日まゆらにつまらない思いさせるだけだから・・・。」



ショックだった・・・、明らかに私を避けるかのような物言いに・・・。
今日、ロキくんの方から話してくれると思ってたのに・・・信じてたのに・・・。

女神様はよくて、何で私はダメなの?
ねぇ・・・、どうして?



たまらなく不安で・・・涙が零れそうになった私は自分が震えている事に気付かれないよう、そっと課長の腕を掴んだ。

「お願い・・・、今日は一緒にいてロキくん・・・。」



ロキくんの異動を和実くんに聞いた日から、ずっと不安定だった。
夜はぐっすり眠れないし、料理も調味料を間違えてばかり・・・。

こんなにロキくんの事で頭がいっぱいになるなんて、出会った頃は想像もしてなかった。

だから今夜はロキくんの口から話を聞きたくて・・・、力強く抱きしめて欲しくて・・・。



・・・でもロキくんは、私の腕をやんわりと解くだけだった・・・。

「・・・仕事なんだから困らせないでよ、まゆら・・・。」

課長が言い終わると同時に、終業のベルが鳴った。
それを合図に彼は私の髪を撫でると、その場を去ってしまった・・・。










私は営業二課に戻ると帰り支度をし、急いで総務課へ向かう。

「・・・夏穂!」
「まゆら?・・・どうしたの?」
「あの・・・今日の合コン、今からでも参加できる・・・かな?」

おずおずと尋ねると、何故だか周囲からどよめきが起きた。
夏穂は慌てて私を引っ張り、総務課を出るとエレベーターに乗り込む。

「あ・の・ね!・・・人が大勢いるところで参加表明しないの!
 男性陣が多すぎたって合コンはつまんないんだから。
 ・・・でも情報は早く流れそうよね・・・。」
「えっ?」

小声で怒られて・・・、でも最後が聞き取れなかったので私は聞き返した。
けれど夏穂は首を左右に振る。

「何でもない!・・・それより本当、まゆらどうしたの?
 さっきまであんなに迷惑がってたのに・・・。」
「別に・・・、ただ合コンって行った事なかったな〜って思ったから。
 それに今日は・・・、一人でいたくなくて・・・。」
「そっか・・・、じゃ、今夜は思いっきり楽しんで盛り上がろう!
 ・・・心配しなくても私達はノンアルコールだから。」
「うん。」

夏穂の笑顔につられ、私も笑って頷いた。



そして課長に対する複雑な想いを抱えたまま、私は乗り気でもない合コンへ行った・・・。











 ・・・スミマセン、かなりお久しぶりの課長さんです。
 今回はかなり乙女〜なまゆらさんを書いてみました。ひたすら課長を信じ待つまゆらさん・・・。なのに話してくれないって・・・、どういう事よ〜!って自分で突っ込んでみたり(笑)。・・・話さない訳は以前、課長さん視点で書かせて頂きましたが・・・覚えてらっしゃる(涙)?
 なるべく今月中には書き上げたいな〜と・・・。頑張るぜぃ。

 私ってば、基本的な事忘れてました。ネガティブに生きてたら、ネガティブな感情しかないって事に・・・!ポジティブに生きなきゃ・・・笑顔だって作れませんって!笑う門には何とやら・・・ですよね?という事で、少しは浮上・・・。でも問題は山積みで一つ一つ解決していかないといけない状態。・・・とりあえず今できるのは・・・、ちょっと好きなものを断つ!というより新しい風を入れてみる・・・でしょうか?

 そうそう、昨日折角更新したのに全然それに触れてない・・・(汗)。えっと、今頃かよって思いますけどクリスマス話が完結しました。この話はずっと書きたくて・・・でもイベントをどうしようって悩んでて・・・。本当は二人が付き合い始めた日にでも・・・とかいう設定だったんですけど。
 あとは作る、作るといってなかなか作らなかったプレゼントコーナーを。もう片想い、一方通行、ストーカーの如くはた迷惑な作品ばかりでK月さんに嫌がらせしている感じがしないでもないのですが・・・(滝汗)。
 今書きたいのは・・・原作補完的なロキまゆ〜・・・。でも、私も素敵サイト様の作品を拝読するのが好きなんです〜、O原様v自分のじゃ・・・堪能できへん!誰か・・・、プリーズ・・・。>
22:09  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'02.11 (Sat)

最低最悪な日・・・

けれどそんなボクには気付かず、部長は更なる追い討ちをかける。

「それにしても・・・、本当に可愛らしい方ですわね。
 ・・・ロキ課長にお任せして正解でしたわ・・・。」
「部長、もしかしてボクに彼女を任せたのは・・・。」
「お察しの通りですわ。他の方に大堂寺さんをお任せしたら
 仕事になりませんもの・・・。いるだけで華のある女性ですから・・・。
 でもあなたならどんなに素敵な女性が隣にいても仕事に支障はないと
 思いまして・・・。・・・僅か一週間で鬼課長と命名されたあなたなら・・・。」
「・・・別にボクでなくても大丈夫だと思いますよ?
 社内恋愛が出世に響くのは皆知ってる事です・・・。
 だから自然と社内恋愛禁止が暗黙の了解になってるじゃないですか?」

ボクはプリントアウトした書類の最終チェックをしながら言葉を返す。
すると部長は長い溜息を吐き、首を左右に振った。

「・・・本当に仕事一筋ですのね、ロキ課長は・・・。」
「お褒めの言葉、有り難うございます。」



・・・ガチャッ



「・・・あれっ?」

二課のドアが開き、入ってきたのは昼食を済ませてきた彼女。
けれど彼女はいつもとは違う室内に目を丸くしていた。

「大堂寺さん、どうなさいました?昼休みはまだ20分もありますのに・・・。」
「あの・・・、午前中に終わらなかった書類をやろうと思って・・・。」

彼女はそう言いながらも、ボクの手にしているものが何なのかを知り少し落ち込んだ。
それを見た部長はボクの肩を強めに叩く。

「それじゃロキ課長、大堂寺さんをよろしくお願い致しますわ。
 ・・・大堂寺さん・・・、焦らなくても大丈夫ですわ。
 ロキ課長はあなたをフォローする為にいるのですから・・・。」

そうして部長が去っていくと、二課内はボクと彼女だけになってしまった。
何となく気まずい雰囲気が二人の間に流れる。
ボクは咳払いをし、話を切り出した。

「・・・さっき部長から初めて聞かされたんだけど・・・、
 どうして営業の素人だってボクに言わなかったんだい?」
「えっ?」
「・・・まぁ、キミのキータッチを見て気付かなかったボクも悪いけど、
 営業を理解しているのを前提に指導してたから・・・。」

デスクの下段の引き出しにしまわれていたものを取り出したボクは、それを彼女に渡す。

「あの・・・。」
「まずは基本中の基本であるブラインドタッチを覚えてほしい。
 でないと、早く終わる仕事も終わらない。
 見てるとキミは小指を使わないでいるようだし、
 これできちんと練習すればできるようになるから・・・。」
「あっ、ありがとうございます・・・。」
「それから後ろにしまってあるファイルには一年前に作成したものが
 ほとんど残ってるから、今後いろいろと参考にするといい。
 作成する書類の順は大体決まってるし・・・。
 ああそれから朝届けられた手紙類は中身を広げて
 透明のクリアファイルに挟んでおくといい。一目で分かるからね。」
「そうですね・・・。分かりました、明日からそうします。
 ・・・じゃ、早速これ、練習してみます・・・。」

彼女は周囲を見回しながらボクの言った事を飲み込むと、渡したばかりのプリントを広げた。
そしてただ繰り返し同じ文字を打つというブラインドタッチの基礎をやり始めた。



営業を知らないにしては、初日に渡したマニュアルを一週間で覚えてきた彼女。
きっと吸収力はいいのだろう、だから時間をかけて育てればいい人材に成長するのだと思う。

けれどそんな事はどうでも良かった。

ボクは早く彼女の教育係から解放されたかったのだから・・・。











 ・・・書き上げてみると、優しいんだか冷たいんだか・・・といった感じの課長さんに仕上がってしまいました。こんなロキ様初めてなので・・・、試行錯誤です・・・。
 まゆらさんもどう接したらいいか分からず戸惑ってる感じですよね・・・。話しかけにくい雰囲気を恐らくロキ様が作っている所為なんでしょうけれど・・・。う〜、こんな二人を書いていてもつまらない・・・(涙)。

 今日はもう・・・、こんなドタキャンはありなのか!?とか本当に思いましたよ・・・。
 本当なら今日は、友人の茉莉花さんとお芝居の梯子をする筈だったんですけど、・・・出先でキャンセルになりまして・・・。この一週間、もの凄く楽しみにしていただけにショックも半端じゃなくでかかったです・・・!ウ〜・・・、でも埋め合わせとやらを楽しみにさせてもらおうと思ってるので・・・。

 更新・・・らしくない更新をしたゾイ。・・・いい加減4ヶ月も拍手ほっぽっていたので・・・。でも今回は作品じゃないの(ニコリ)。こんな感じ〜のを書いてみたいってやつをのっけてみました(にっこり)。
 今後の更新は・・・、もう書きたいやつから書いていく!これに尽きるかと・・・。

 最後に今日、マ王観ましたよ〜vやっぱりヤツがキーマンですよね?だけど・・・、声優さんだけで考えてみるとかなり素敵な感じ・・・。覚ロキ様と闇野さんが対峙してますからね・・・。ふふっ、続きが楽しみ・・・!
 そうそう、小説の方もようやく追いついて・・・。次は何を読もうかと悩み中・・・。面白いのあったら教えて下さいなv
21:58  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'01.27 (Fri)

ご協力、感謝♪です・・・

そして総務課にそれを提出し、お茶の準備をする為に給湯室へ・・・。



「えっと今日は・・・、5人・・・だよね・・・?」

営業二課にいるメンバーを思い浮かべながら指を折っていく。

一課は外回り、二課は書類作成を主に請け負っている。
でも一課で人手不足の時は二課の人も借り出されたりするので、日によってメンバーが増減したりする。
しかも午前と午後で、いたりいなかったりする場合もあるから・・・。





「・・・まゆら・・・。」





給湯室へ入るなりそう呼ばれ、力強く引っ張られた私。
驚く間もなくポスンッと収まった先は・・・、課長の胸・・・。

「課・・・長・・・、ちょっ・・・はっ、離して下さい!」
「嫌だ、こうでもしないとまゆらと話できないから・・・。」
「名前で呼ばないで下さい!・・・誰かに聞かれでもしたら・・・。」

課長の腕を解こうと、私は必死にもがいた。



周囲に知られてしまったらという恐怖もあったけど、それ以上に・・・今は彼に会いたくなかったから・・・。



「・・・誰かって・・・誰?光ちゃんとかフレイ?
 それとも・・・、他に仲良くなった男性社員?」
「えっ?」
「昼休みに聞いたよ。まゆら、先週の金曜日に合コン行ったんだって?
 どうして?・・・ボクが接待だったから?」
「あっ、・・・そ・・・れは・・・。」

課長からいきなりその話題を振られ、私はビクッとなった。



一生懸命あれこれ考えるけど、纏まらなくて言葉が出てこない。
何か一言話したら・・・、本当の事を言ってしまいそう。



「今朝から落ち着きがなくておかしいと思ったんだ。
 ・・・だけど本当に何で合コンに行ったの?
 キミとの約束をキャンセルしたのが許せなかったから?」



課長が本社へ栄転するのを私はもう知ってるんだって・・・。



「だから電話にも出てくれなかったの?まゆら・・・。」



でもいざとなると聞くのが怖くて逃げ続けてた・・・、だけど・・・。





「・・・どこへ行くにも、課長の許可がないといけませんか?」
「そうは言ってないよ。ただまゆらは無防備だから心配で・・・。
 現に朝からメールの対応に追われて・・・。」
「・・・そんなに私、信用できませんか・・・?」
「えっ?」

私はグイッと課長の胸を押し返して距離を保つ。
虚を衝かれた彼は少しうろたえていた。

「別に私・・・、疚しい事はしていません。
 ただ前々から夏穂に誘われてて・・・、それで約束がダメになったから
 行っただけです。・・・失礼します。」

頭を下げ、踵を返した私。
けれど課長は私の腕を掴み引き寄せると・・・、そのままキスをした。

「ちょ・・・っ、んんっ、課・・・!」
「・・・でもボクが約束を破ったからって自分も破る事ないじゃない?
 あれほど・・・笑顔はダメだって言っておいたでしょ。
 っ・・・まゆらはボクのものなのに・・・。」

キスの合間に課長は私を口早に叱る。
けれど私は・・・、黙って受け入れられず彼を突き放してしまった・・・。

「・・・イヤッ!」
「・・・ま・・・ゆら・・・?」
「酷いよ、ロキくん!会社ではイヤって言ったのに・・・こんな・・・。」

私は給湯室入口付近に避難し、涙を浮かべながら抗議した。





やっと分かった・・・。

課長から異動の話を聞きたいとか、別れ話を切り出されたらとかいろいろ考えていたのにそれでも彼を避け続けた訳が・・・。



私は、一番最初に彼の話を聞きたかったんだ・・・。



でもその相手は私じゃなくて女神様。
結局はそれが・・・、悲しくて悔しかっただけ・・・。





「・・・私、あの日は一人でいたくなかった!
 だから・・・別にロキくんじゃなくても・・・、誰でも良かったんです!」

複雑な感情を込めながらそう言い捨てると、私は全速力で給湯室を後にした。





だってもう・・・、苦しくて耐えられなかったから・・・。

待っていても最終的に傷つくのは私だから・・・。

・・・今は課長の方が傷ついているのかもしれないけれど・・・、でも・・・。

彼を困らせたくないから・・・、昇進の為だから・・・。



出会った頃のように接するのは難しくても、『部下』に戻るのが一番なのだと私は思った・・・。











 うぉ〜・・・、今回は凄い話をお届けしちゃいましたね・・・。元々このシーンはあるお方と話してた時からあったものでしたが・・・。
 今回はまゆらさんが勝手に終止符を打ってしまいまして・・・。もう本当、つらいと思うのです。何もかも知っているのにロキ様が話してくれないから・・・。健気に待っている・・・でももう限界!というまゆらさんが書けていれば・・・OKです・・・。

 本当に有り難うございました〜v・・・呟いてみるもんだ・・・と本当に思いましたよ。昨日の呼びかけに答えて頂けて嬉しかったです!早速ですが・・・、同じ場所に放り込んでおきましたので(笑)。・・・続きも早くお届けしたいのですがね・・・、本当に遅くて申し訳ないです。

 今日は・・・、苦手な方とお仕事でした・・・。でも朝早く他の人に対してお怒りでしたから私には優しかったです。・・・本当、気紛れな方なのでその時によって接し方が変わり、大変です・・・。・・・仕事よりもそっちの方が疲れたかもしれません(笑)。
 そうそう、予想通り早く上がれましたよ〜。・・・平日に夕陽を見たのは久々です・・・。
18:29  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'01.24 (Tue)

言うだけタダ・・・

「・・・ん・・・っ・・・。」

隣から聞こえてくる生活音に、ボクは無理矢理起こされた。
洗濯機と掃除機はある意味、目覚ましより強力かもしれない。

けれどボクの眠気を吹き飛ばしたのは・・・。

「・・・課長、朝ご飯できましたけど・・・。」

朝食の香りをつれてやって来た、恋人のまゆら。



会社には秘密の恋愛も、もう三ヶ月が過ぎた。
社内では上司と部下としてしかお互いに接する事ができないけれど、それを埋めるように週末はどちらかの家で過ごしている。

今週はボクがまゆらの家に来ていた・・・。



「いい匂いだね。・・・もしかして、ボクの好きな物?」
「はい、おいしいって課長が・・・。」
「ここは職場じゃないんだから名前で呼んでよ、まゆら。」

起き上がって着替えていたボクだけど、『気になる一言』にその動きが止まる。

「えっ・・・と、そ、あの・・・。」
「どうして呼んでくれないの?ボクは口癖にしたくなるくらい
 『まゆら』って呼んでいるのに・・・。」
「何だか会社でも名前で呼んじゃいそうだから・・・。
 それならこのままの方がいいかなって・・・。」
「・・・じゃ。」

ボクは両腕を広げ、ベッドにちょこんと腰掛けていたまゆらを捕獲する。

「名前呼ぶまでこうしてるって言ったら、呼んでくれる?」
「ちょっ、課長・・・。」
「・・・ふ〜ん、じゃ、これなら?」

ちっとも呼ぶ気配をみせないまゆらに少し拗ねたボクは強引に唇を塞いだ、・・・すると。

「課っ・・・、ロッ、ロキく・・・ん・・・。」

甘い吐息と共に、彼女はボクの願いを叶えてくれた。
たったそれだけなのに・・・、顔が綻ぶのが分かる。

「ん?何?まゆら。」
「・・・もうっ、会社でロキくんって呼んじゃっても知らないんだから!」
「平気だよ、誤魔化すのは得意だから・・・。・・・それよりまゆら、
 左の肩どうしたの?痣があったみたいだけど・・・。」

急に真顔で問いかけたボクに、まゆらの表情が強張る。
そして視線を逸らし、あれこれと考え始めた。

「あの・・・、これは・・・、えと・・・。」
「・・・痣は縦長の長方形だったよね?確か・・・。」
「あっ、本棚から企画書のファイルが落ちてきて、たまたま・・・。」
「・・・誰に殴られたの?」
「えっ?だから・・・これは落ちてきたファイルに当たって・・・。」
「まゆらがファイルを中途半端にしまう筈ないだろ?
 それにどう考えたって落ちただけじゃ・・・。」

ボクはまゆらの左上腕にそっと触れる。



今朝、まゆらの左肩を見たボクはショックだった。
ボクのサイン以外のものが彼女の白くて綺麗な肌に刻まれていた事もそうだけど、どれくらい強く叩かれたのか分からないほどの色濃いそれに・・・もう『軽いイジメ』などと言ってられない深刻さを感じて・・・。



「・・・大丈夫だよ。だってこれは・・・ロキくんを独り占めしている
 『罰』みたいなものだから・・・。」
「・・・『罰』?」
「女子社員は皆ロキくんのファンだから・・・。
 だから傍にいる私が許せないって、それだけなのよ・・・。」
「・・・ファンって・・・、ボクの?」
「そうだよ?ロキくんは知らないかもしれないけれど、
 ロキくんの人気は凄いんだから!・・・ファンクラブもあるんだよ?」

まゆらの話は以前、光ちゃんからも聞かされた気がした。
その頃は仕事に没頭する毎日だったから思いっきり流していたけど・・・。

でも・・・。

「・・・でも、ファンだからといってこれは・・・。」
「秘密の恋愛、守る為だもん・・・。」
「まゆら・・・。」
「ロキくんの気持ちは嬉しいけど、私を庇ったりしたら絶対にバレちゃう!
 だからこれは私がどうにかするしかないんだ・・・。」
「・・・・・・・・・・。」

つらい筈なのに・・・、心配させまいと笑顔を見せるまゆら。
そんな彼女が愛しくて・・・、何もできない自分が悔しくて・・・。
複雑な思いを引っ括めるかのように、ボクは彼女を掻き抱いた。

「・・・ロキくん?」
「・・・じゃ、会社では極力二人きりは避けないとね・・・。」
「うん・・・、そうだね・・・。」
「・・・だけど・・・、残業の時くらいはキスさせて?」

ボクがまゆらの髪に顔を埋めながらそう強請ると、肩の辺りから熱が伝わってきて小さくだけど・・・、首が微かに縦に動いた・・・。





ボク達は普通の恋人同士のように外で手を繋いでデートする事はない。
けれど共通の趣味である映画をレンタルで鑑賞したり、近くの公園まで散歩したりしてボクらなりに楽しい時間を満喫している。

・・・『秘密の恋愛』だからという理由でまゆらにつまらない思いをさせているのではと、それだけが気がかりだったけど・・・。

隣で喜怒哀楽を見せ、時々じゃれついてくる彼女にボクはホッとした。

そして気付く・・・、ボクもつられて笑っている事に・・・。



かけがえのない大切な人、手離したくない幸せ。
それらがボクの心を大きく占め、これからもずっと続いていくのだと信じていたある日・・・。











 ふひ〜、どうですか?今回の課長さん!・・・ここまで書いて今更なんですが、このシリーズは『ほんのりラブ』っぽいです(爆)。いや〜、後半でラブラブ〜になるかと思ってたんですけどね・・・。でもあのメッチャ冷たかった課長がここまで進歩したのか?という感じで読んで頂ければと・・・。
 まゆらさんのイジメ・・・、ちょっと酷くなっちゃいましたよ・・・(汗)。分厚いファイルの背でバシッと叩くなんて・・・。すみませ〜ん、鬼は課長さんじゃなく私で〜す(涙)。でも・・・、でも・・・ね!絶対に助けますから!これは間違いないので・・・。

 今月・・・、あと一回くらい更新、したいな〜と密かに野望を抱きつつ・・・。でも何にしよう?と真剣に悩んでいます。クリスマスの話もあと一話だし、拍手もいい加減変えなきゃだし、キリ番も・・・そろそろやらないとだし・・・。やる事多いですね・・・意外と。去年、更新があまりできなかったのがここにきて重くドカッとやってきたみたいです・・・。ホント、やりたい事多くて時間がなかったから・・・。

 今日も寒かったですね・・・。何か今週は風が凄くて朝晩本当に震えながら家と会社を往復しています。・・・風邪を引かないようにしないとね・・・。()
18:05  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

2006'01.18 (Wed)

約束は果たしました・・・

「・・・んっ・・・、うぅ・・・はれ?ここは・・・。」

目覚めた私は見慣れない天井を見つめながら呟く。
すると答えはすぐに返ってきた。

「会社の医務室だよ。」

聞き慣れた声にボーっとしていた私は反応し、ガバッと起き上がる。
ベッドの横に置かれた椅子にはロキ課長が座っていた。

「・・・昼食が終わってから5時間・・・。ぐっすりと眠れたみたいだね。」
「ごっ、5時間って・・・それじゃ・・・。」
「勿論、終業時刻はとっくに過ぎてる。
 ・・・ああ、大堂寺さんの分も終わらせたから安心していいよ・・・。
 それよりも具合はどう?・・・もう少し眠る?」
「いえ、もう帰ります・・・けど、・・・課長はどうして・・・。」
「さっきまで大堂寺さんの友人がいたんだけど、
 いつ目を覚ますか分からないから先に帰したんだ。
 ・・・きちんとキミを送るからと約束してね・・・。」

課長の言葉に私は慌て、急いで靴を履きバッグを持つと扉へ向かう。

「えっ!?あっ、あの私・・・一人で帰れますから・・・!」
「今の時間帯は電車が混んでるから・・・。週末だし、
 今度は貧血を起こされたら困るし、ボクがキミの友人に殴られる。」

でも課長は私の手からバッグを取り、もう片方の手で手首を掴むと私を連れて医務室を後にした。



・・・強引だなと思うけど・・・、歩幅を私に合わせ、時々振り返ってくれる・・・。



そんな課長のさり気ない優しさが嬉しかったし・・・ドキドキした。



だけど・・・、あのキスが冗談だったんだと思うとその気持ちは半減した・・・。










・・・電車内は、課長の言うとおり鮨詰め状態だった。

しかも運転が少し荒くて加速するたび、緩めるたびに揺れて私は真っ直ぐ立っていられなかった。



「・・・大丈夫?」
「はい、何とか・・・。」

私達がいるところは出入りの激しい扉付近。
私は流されて降りてしまわないよう、必死に手摺りにしがみついている状態。

でも・・・、手が痛くなってきて・・・。

そう思っているうちに扉が閉まり、再び電車が動き出した。
そして、いきなり車内が大きく揺れる。

「・・・きゃっ!」

足の踏ん張りが利かなくなった私はよろめき、ロキ課長に凭れ掛かってしまった。

「スミマセン、課長。今・・・えっ?」



・・・一瞬何が起きたのか分からなかった。

ただ、課長に謝っている最中いきなり抱きしめられたかと思うと見ていた景色が反対側になって・・・。



「・・・ごめん、満員だったからこの方法しか思い浮かばなくて・・・。最初からこの位置だったらよかったんだけど・・・。」

さっきまで私が掴んでいた手摺りをロキ課長が掴み、彼が寄りかかっていた手摺りには私が寄りかかっている・・・。

・・・つまり彼は私と位置を入れ替えたのだ。

そのおかげで私は下車駅まで少し楽だったけど・・・、その間ずっと緊張してた。

バクバクしている鼓動が伝わらないかとか、化粧が崩れてないかとか、息が荒くなってないかとか・・・本当にどうしようもない事ばかり考えてて・・・。

・・・だって、私に密着しないようにと課長はガードしてくれたけれど、至近距離で温もりを感じていたから・・・。





でもきっと・・・、こんな風に意識しているのは私だけ。



課長は私の事なんて何とも思ってない。



そうでなければ・・・、先週と同じ場所まで来る筈はないから・・・。










「・・・課長、送って下さってありがとうございました。もうここで・・・。」
「ちゃんと送るって・・・。」
「夏穂にはそう伝えておきますから大丈夫です。」

私は数歩先を行く課長にそう告げた。
そして私が歩き出せばそれで終わり、なのに・・・。

「・・・どうして今にも泣き出しそうな声をするの?」
「そんな事・・・。」
「キミが泣きそうになる時は、これ以上ないっていうほど
 丁寧に話すから・・・。・・・そしてその原因は・・・ボク・・・かな?
 睡眠不足でキミが倒れた理由も・・・。」

課長に何もかも言い当てられてすぐに頬が熱くなるのが分かったけれど・・・、同時に腹も立ってきた。

目の前で冷静に私を分析する課長に、一週間平然と仕事をしていた課長に、・・・私のファーストキスを奪った課長に・・・!

そうして火の付いた感情は消えなくて、一気に爆発する。

「・・・そうです、全部課長が悪いんです!
 どうしてキスされたのか分からなくて悩んで・・・。
 なのに課長は何事もなかったかのように普通に仕事をしてる。
 私はこんなに苦しんでいるのに・・・!
 ・・・でも、休憩時間に笑っている課長を見て思いました。
 あれは・・・、ただからかわれただけだって・・・。
 それでホッとしたら気が抜けちゃったみたいで・・・。」
「ボクが。」

最後の言葉が課長の一言に制された。
彼は一歩一歩私に近づいてくる。

「・・・ボクがこの一週間何も考えなかったと?」
「だ・・・って・・・。」
「全身でキミを捉えながら・・・、でも社内では気付かれないように
 ずっと考えていたよ。・・・どうしてキミにキスしてしまったのか。
 映画のシーンと同じだったからなのか・・・とか本当にいろいろ・・・。
 ・・・だけどその答えが出るまでこんなにかかるなんて・・・。」
「・・・えっ?」
「今日、キミが食堂で倒れた時・・・。遠くだったけどキミのもとに
 急いで駆けつけた。・・・他の誰にも触れられたくなかったから・・・!」

課長は私の前で立ち止まると、スッとした指で髪を掬う。

「キミの上司になって良かったと思う瞬間だったよ・・・。
 職権乱用してボクがキミを抱き上げて医務室まで運んだ。
 ・・・さっきだって、電車の中で何度キミを抱きしめそうになったか・・・。」

そう口にしてパッと髪を離した課長が・・・今度は本当に私を抱きしめた・・・。

強くて、でも優しく包み込んでくれる腕。
彼の胸に当てた耳からは、激しいリズムが聞こえる。

でもこのシチュエーションが信じられなくて・・・。

「ウソ・・・みたい・・・。」
「どうして?」
「だっ・・・。社内恋愛は禁止って・・・。」

涙を零しながら言葉に詰まってしまうと、課長が「じゃ・・・」と言いながら腕を解いて・・・。

「キミが眠っている間、ボクが何してたと思う・・・?」
「ふぇっ?・・・ふっ・・・んんっ!」

私にキスをした。

「・・・早く目覚めてほしくて・・・。キミの友人が帰ってから・・・
 1時間近く何度もしてたかな?でも誰にも見つからなかったよ・・・。」
「かっ、課長///・・・。」
「・・・確かに社内恋愛禁止の事も頭を過ぎったけど、自分の気持ちを
 偽りたくないという想いの方が強かった。・・・キミは?」
「わっ、私は・・・。」

真っ直ぐな瞳に、顎に置かれた手に心臓が壊れてしまいそう。
だけど・・・。

「じっ、自信がありません。誰にも内緒で恋愛なんて・・・。」
「フォローするし、ボクがキミを守ると言っても・・・?」

力強い言葉に、止め処なく溢れ続ける涙。
もう・・・、心のブレーキは何の効果もなく想いは加速していくだけ・・・。

「・・・どんな事にも直向きで一生懸命なキミがボクは好きだ。
 だから・・・ボクと秘密の恋愛、しよう?・・・まゆら。」

課長の熱い吐息が瞼にフワッとかかり、それを合図に目を瞑ると彼はゆっくりと私に口付けた。



初めてキスした時は、どうしてされたんだろうってそればかり考えてた・・・。



だけど悩んでいるうちに彼の言動に一喜一憂する自分がいて・・・。



・・・これが『恋』なのか確信なんてないけれど・・・、彼以外の人に触れられる自分は・・・想像できない・・・。





「・・・好き・・・。」
「っ・・・まゆら・・・。」
「私も・・・あなたが好き、だから・・・。」

何度も繰り返されるキスを止め、深呼吸をした私は・・・。

「・・・私を・・・、あなたの共犯者(こいびと)にして下さい・・・。」





先週と何一つ変わっていないイルミネーションの街並み。
けれど二人の想いは月の満ち欠けのようにいろいろな形へと変わり・・・、今、重なり合った。

そして・・・、初めてキスしたこの場所で私達は危険な契約を交わす・・・。



誰にも知られてはならない、『秘密の恋愛』という契約を・・・。











 ・・・3日もかかった山場・・・です。ふぃ〜ん、如何でしょうか?
 この課長さん書いてて、こんなに彼が押せ押せだったのは初めてって気がします。だからね・・・、難しかったです・・・。それこそ今までは『仕事、仕事、仕事・・・』なのにいきなり『まゆら・・・好き・・・恋愛・・・』ですから(笑)。ちなみにこの次に書くのはこの続きと最初から決めているので・・・、彼がどのように変わっているのか楽しみにして頂けたらと。
 まゆらさんはですね・・・、チュ〜されてから意識し出したのでこれまた大変でした。好意的ではあったけど『上司』ですからね・・・。でもさり気ない優しさとか告白にクラッと・・・きたんでしょう!もう台詞とか打ってる時、珍しく感情移入しちゃいましてところどころ泣いてましたもん!私(爆)!だからね・・・、くっついて本当に良かったよvと自分で書きながら・・・思っちゃいました。

 20日は・・・お休みを取りました。学校で手続きをする為に。・・・石の上にも3年と言うので・・・、もう一年頑張ってみようかなと思って・・・。>
17:50  |  日記&ぷちよみ「課長ロキまゆ」  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
 | HOME |  NEXT